雨量測定ネットワーク

雨を測る、未来を守る藤野・雨量測定ネットワーク

藤野地域の山間地ならではの自然と向き合いながら、NPO法人ふじの里山くらぶにて、2016年より「気候変動の藤野学」という活動を通じ、住民主体で気候変動の影響を調査・共有してきました。

その一環として取り組んできたのが、地域の累計雨量を測定し、防災や環境保全に活かす「雨量測定ネットワーク」です。

本ページでは、この雨量測定メンバーが収集している雨量データや測定方法を、広く公開しています。

土砂災害と向き合うための、住民による取り組み

藤野地域は山間地であるため、集中豪雨による土砂災害のリスクと常に隣り合わせです。

土砂災害と雨量には密接な関係があり、降り始めからの累計雨量(連続降水量)が、発生の重要な指標になると考えられています。

そこで、地域の有志メンバーが簡易な雨量計を設置し、50mmを超える雨量が観測された場合に記録を残すという取り組みを続けてきました。これにより、「雨がどのくらい降ったのか」を感覚ではなく数値で捉え、防災行動の判断材料とすることができます

地区別・累計雨量データ

雨量測定チームのメンバーが、大雨のたびに「その期間中の累計雨量」を各地で測定しています。

※このデータは、住民が自主的に設置した雨量計によるもので、気象業務法の対象外観測である点にご留意ください。

2025年の累計雨量データ
測定期間小渕-梅沢小渕-下小渕日連-杉名倉-大刀名倉-柴田吉野
4/1-31141128010095
2024年の累計雨量データ
測定期間小渕-梅沢小渕-下小渕日連-杉名倉-大刀名倉-柴田吉野
8/29-31247248220248220250
8/164648534255
6/2978696369
6/181061127310395
3/28-29454770
3/25-265950414090
2023年の累計雨量データ
測定期間小渕-梅沢小渕-下小渕日連-杉日連名倉-大刀名倉-芝田吉野-中原佐野川
9/23-247179836745
8/13-15154182180140167160130
8/96777845074
6/8-6/9354038253432
6/2-6/3220244255230220235220225
5/7-5/867636070
3/2660
2022年の累計雨量データ
測定期間小渕-梅沢小渕-下小渕日連-杉名倉-大刀名倉-芝田吉野-中原
10/5-10/87885837879
9/23-9/249575939564
9/18-9/20188187180160165137
7/16-7/1752605350
5/26-5/275357705353
4/3-4/5100888011375
3/18-3/19616250
2021年の累計雨量データ
測定期間小渕-梅沢小渕-下小渕日連-杉牧野-中尾牧野-伏馬田名倉-大刀名倉-芝田吉野-中原
11/8-11/952554754
9/30-10/167595573636143
9/2-9/563726060
8/13-8/15133134150145184
8/7-8/8767575707696
7/1-7/3155160175

雨量の測定方法

累計雨量とは?

降水量(mm)は、「その場に雨がたまった場合の水の深さ」で表します。雨が続いている間の累計雨量(連続降水量)を「累計雨量」として観測し、雨が6時間以上降らなかった場合にリセットしています。

雨量の計算方法

雨量の測定は、雨水の重さ(g)を、測定器の開口面積で割ることで算出します。

例)雨水の重さ:45.6g、開口部の面積:45.6平方センチメートルとすると → 45.6g ÷ 45.6㎠ × 10 = 10mmの降水量

雨量計の作り方と設置方法

必要な材料

  • 1ℓのペットボトル(測定器本体)
  • 2ℓのペットボトル(雨水の受け皿)
  • 1m程度の棒(設置用)

作り方(概要)

  1. 1ℓペットボトルをカットして測定器を作成、開口部の面積を測定
  2. 2ℓペットボトルを切って受け皿にし、底に排水用の穴をあける
  3. 支柱に受け皿を固定し、上に測定器を設置
必要な材料(画像左)、開口部の面積を測定(画像右)
受け皿(画像左)、支柱に固定した状態(画像右)
設置時のポイント
  • 地上から20cm以上の高さに設置
  • 周囲1mに障害物がない場所を選ぶ
  • 芝生や砂利など、跳ね返りのない地面に設置
  • 屋根に設置する場合は中央寄りに置く(風の影響を受けにくくするため)

このページでは、雨量測定の目的や方法を紹介するとともに、地域で得られた実測データも順次掲載していきます。

あなたの地区でも、雨量を測ってみませんか?