今年から、新たに日連(ひづれ)地区にある放棄田んぼの再生を始めました。
日連地区は「水の山」と称される金剛山の麓に位置し、かつては豊富な水を活かした水田が一面に広がっていました。しかし、都市化や少子高齢化の影響で、田んぼは畑や宅地へと変わり、今ではこの地域に残る田んぼはわずか一枚のみとなってしまいました。

これまでは地主さんが毎年5枚の田んぼで米作りを行っていましたが、高齢化により維持管理が難しくなり、この数年間は1枚だけがかろうじて営まれている状態でした。そのため、私たちに相談をいただき、今回の再生活動をスタートすることになりました。
田んぼ再生の目的
田んぼは、
- 治水機能(洪水や土砂災害を防ぐ)
- 生物多様性の維持
- 風土の伝承
といったさまざまな役割を持っています。
お米作りを通して、多くの人が学び、地域の交流の場としても活用されることを目指したいと思います。
第1回目の作業:「風通し改善」
今回の活動では、田んぼ周辺の藪化した場所を整備し、「風通しを改善」することを目的としました。

田んぼ自体は定期的に草刈りが行われていたため、畔道は確認できる状態でした。しかし、その周辺には篠竹が密集し、一面が竹の壁に覆われていました。また、湧水が流れる小さな沢も篠竹に埋もれてしまい、先が全く見えない状況でした。

環境に配慮した藪払い
一般的に「藪払い」というと、刈払機を使って篠竹を地際からすべて刈り取るのが一般的です。
しかし、すべて刈り取ってしまうと、
- 地面に日差しと風が直接当たり続け、乾燥が進む
- 環境の悪い場所でも育つ強い植物に覆われる
といった問題が発生し、結果的に篠竹の繁殖を防げません。

そのため、以下のような方法で整備を行いました。
- 地際で刈るのは人が1人通れる幅に抑える
- 全体的には軽く間引き、向こう側がうっすら見える程度にする
こうすることで、四方から風が通り抜けるようになり、田んぼ全体の風通しが良くなります。
また、篠竹を部分的に残すことで、
- 地面の湿度が適度に保たれる
- 下草や実生の植物が育ちやすい環境が生まれる
- 土壌環境が徐々に改善する
といった効果が期待できます。

作業後、現場に立った参加者からは「風が抜ける!心地いい!」という声が上がりました。
湧水と溜池の通気・通水機能改善
湧水が出る石垣周辺は葛に覆われていたため、こちらも全て刈り取るのではなく、葛を払いながら風の通り道を作る程度の整備にとどめました。

また、溜池の底には約20個の土嚢袋が埋められており、水嵩を上げるために設置されていたものと思われます。さらに、石や布で水が堰き止められ、水が滞留していたため、これらをすべて取り除きました。

3月の水入れまでは、自然に溜池(上流)から沢の下流まで水が流れる状態を維持し、水脈の改善に充てたいと考えています。
なお、水路の高低差問題は解消していないため、2月の作業では「どのように水を溜めて田んぼへ流すか?」について、みんなで知恵を出し合いながら対策を検討する予定です。
今後の展望
今回は刈りすぎに注意し、ほどほどの間引きにとどめています。今後、環境の変化を観察しながら、少しずつ手を加えていく予定です。

今後も、田んぼの再生を進めていきます。次回の作業もお楽しみに!
